まだ見ぬ妻へ

 

まだ見ぬ妻へ

 

 

君を探して、30年が経ってしまったよ

 

君を思って、30年が経ってしまったよ

 

君を愛して、30年が経ってしまったよ

 

 

君は今、どこで、何をしていますか

 

僕は今、君を思って、君に宛てたポエムを、初対面の人の前で読んでいます

  

君は僕のことを知らないかもしれないけど、僕は君のことをよく知っています

 

 

朝には、通勤電車でつま先立ちをして血流を良くしていることも

 

昼には、サラダとヨーグルトしか食べないことも

 

夜には、スポーツジムで内ももばかり鍛えていることも

 

 

そしてたまに、僕の知らない男と抱きあっていることも

 

 

僕が君を見つけられないように

 

君も僕を見つけられない

 

それはまるで、太陽の光で見えない昼間の星空のようだ

 

そこにあるけど、目には見えない 

 

 

でも一つだけ、見る方法があるんだ

 

 

それは、光をなくせばいい

 

 

目をつぶってみて

 

 

ほら

 

 

僕はここにいるよ